(142)「火の玉特急/Nightmare on the Red Ball Run」(火の玉特急の悪夢)

ノー・カット(NC)輸入版DVDで見る 第5シーズン23話(日本第4シーズン69話)
・お薦め度★★ ・迫力度★★★ ・感動度★

●あらすじ
補給トラックの運転手ロージー軍曹は過去の苦い経験から過酷なノルマを部下に強いていた。寝不足から部下が事故を起こしてしまい、そこに居合わせたサンダース達に助っ人の要請が来る。歩くことにうんざりしていたカービーはリトルジョンを誘い臨時要員を買って出るが、ロージー軍曹の任務傾倒ぶりは半端ではなかった。しかし途中ドイツ軍との戦闘でカービーとリトルジョンが釘付けになった時、ロージー軍曹が自ら犠牲となり危機を脱することに成功する。補給トラックを前線基地に送り届けたカービーとリトルジョンは、そこで補給部隊の重要性を実感する。

●出演レギュラー:サンダース、カービー、ケーリー、リトルジョン、カーター
  ゲストスター:クロード・エイキンズ(ロージー軍曹)…(122)(137)でもゲスト出演。
  その他の出演者:ウィリアム・キャンベル(スローン伍長)…(108)「死にたくない奴」で端役GI。

●感想&コメント

・タイトルにあるRed Ball Runは実際に戦時中使われたRed Ball Expressという呼び名から取られている。ノルマンディ上陸後、内陸への補給物資の輸送が課題だったが、大量のトラックが昼夜兼行で物資を運んぶことで解決した。そのルートが地図上で、あるいは道標で赤丸で示されたことに由来する。冒頭のシーンで赤丸の書かれたプレートが登場するがこのようなものだったのだろう。

・少佐に対してサンダースやカービーはずいぶん気楽な態度で敬礼すらしていない。

・ロージー軍曹は技術軍曹(階級章にTの文字)という設定だが、なぜそのようにしたのだろう。「岩の上の敵」で描かれたように、このような運転任務は黒人兵が多かったようである。

・事故現場の衛生兵にウォルト・デイビス。到着地点にも登場するのはびっくり。セリフもあるし、誰だって気づくと思うが。

・待ち伏せする3人のドイツ兵の迷彩上着はアメリカ軍のものだろう。こういうのもモノクロの映像時は気にならなかったが、カラーだと違和感大。

・そのドイツ兵との戦闘シーンではカービーとリトルジョンをスタントマンが演じているシーンがある。ラストの戦闘で丘を駆け上がる場面も。リトルジョンはもっと大男。

・スローンが落ちて負傷するシーン、(128)「長い苦しい道」にまったく同じ場面がある。別の橋だが、やはりもろい木橋で大砲の左車輪が食い込み、リトルジョンが向かって右手に落ちる。ただし日本ではカットシーン。

・ドイツ軍のハーフトラックに全滅させられるアメリカ軍のハーフトラックは明らかに始めからスクラップ。ドイツ軍指揮官はポール・ブッシュ。

・そのドイツ軍のうちの数名は気色悪い緑色の軍服を着ているが、他の歩兵とは違うダブルボタンの戦車兵風に仕立られている。

・ロージー軍曹はカービーに「ハーフトラックと戦ったことあるか」と聞くとカービーはなぜか「ない」と答える。手榴弾攻撃のため近づいた時も「こんなにでかいとは思わなかった」などと言う。

・応急修理を終えて動き出したハーフトラックの転輪にはぼろ布の詰め物がしてある。

・カービーがM1カービンを撃つ珍しいシーン。

・ハーフトラックの機銃手で最後に派手に撃たれるアール・パーカー。

・到着地点にいる軍曹は「助かったよ、ドイツ兵に石でも投げようかと思ってた」と言ってトラックを運転し最前線に向かう。つまりここは前線の補給物資集積所でありここまではアメリカ軍の支配地域、という設定は正しいが、それなら途中のルートにドイツ軍が出没するということは大いに問題。

・2台のトラックが爆発物を目的地まで運ぶという設定は、フランス映画の名作「恐怖の報酬」(1953年イヴモンタン主演)からアイデアを取ったのではないか。1台が吹っ飛び、到着するのは1台だけというところも同じ。

●TVあるいはオリジナルDVDのカットシーン

・カービーとリトルジョンの運転で出発。夜が明け歩兵たちとすれ違ったあと1分弱カット。
ロージーがカービーの運転に文句をつける。「ギアが重いぞ坊や(Son)、セカンド(2速)に入れろ」「カービーです、ウィリアムGカービー」と言ってギアを入れ直す。走るトラックの映像。ギアがちゃんと入らず引きずった音がしてしかめ面をするロージー、トラックの経験があるというカービーに「空(カラ)荷専門か?」と茶化す。「いや、ビールです」「…そうだろな」
場面は後方のトラックの運転席に移り大あくびするスローン伍長。「運転は長いのか?」と質問するリトルジョン。「3ヶ月前からだ」「ずっとあの軍曹とか?」「…いや」そのあと「事故は初めてか?」のセリフに続く。

・ロージー軍曹に運転を代われと言われたカービーが「わかりましたよ」と運転席から降りる直後から1分弱カット。
リトルジョンも加わり「中佐の命令で俺たちが運転する」と反論するがロージーは聞かない。「輸送隊の指揮官は俺だ。俺の命令に従え」と。諦めてカービーは助手席に座り出発。二人ともむっと押し黙ったまま、しばらくトラックが走る映像。バリケードをセットするドイツ兵の映像に続く。

・待ち伏せていたドイツ兵との戦闘後、路上の丸太をどけて走り出したあと1分40秒カット。
高位置から見下ろす映像で走るトラックがT字路を過ぎた所でロージー軍曹は車を止め地図を広げる。「道に迷ったんですか?」と聞くカービーに「迷ったんじゃない。山道を行こう、数マイルは稼げる」「この荷物で?」「平地を走っても狙撃兵がいたら危険なのは同じだ」近道を行くためT字路までバックする。それを見るリトルジョンとスローンの会話「何してんだ?」とリトルジョン。「右に行くようだ」「ひどい山道じゃないか」「大したことないさ」「この荷物で?」何も答えず前方に目をやるスローン。山道の荒っぽい運転シーンに続く。

●ドイツ兵戦死者:14名、アメリカ兵戦死者:9名、
●出場メカ:回転銃座付ハーフトラック、ドイツ軍で。米軍のトラック、救急車、ジープ、スクラップ状態のハーフトラックなど。
●実写フィルム:米軍砲兵&歩兵行軍シーン(これまでに何度も使用されたもの)
シーゲル曹長 | NoCut第4シーズン | 16:57 | - | - | - | - |

第4シーズンを振り返る

ノー・カット(NC)輸入版DVDで見る−第4シーズンを振り返る−

例によってとりあえず私の星取表集計。

★9 118/119 丘は血に染まった
★8 (なし)
★7 127 孤立した分隊
★6  101 恐怖の流砂/106 ドイツ将校は誰だ?/107 十字砲火/109 一番つらい日
 110 卑怯者のしるし/116 報復への道/123 英雄になりたい/124 最後の狙撃兵

見直し作業に入って1回目の最初の採点より厳しくなりました。全合計点は30作で148点、平均4.9点。点数的にはこれまでと大差なし。第4シーズンは前シーズンの延長という感じで特に大きな変化なく、ややネタ切れ感は隠せないながら、3点以下の作品は一作(97 戦場をかける)のみ。手堅く平均点は稼いだというう印象です。

●内容的には、やはりこれまで使われてきたパターンの繰り返しが多くなってます。

○ヘンリーが単独出演で特殊任務または捕虜脱出。
 100 目的地−9番地/101 恐怖の流砂/102 敵中横断/112 敵中不時着陸
○サンダースの単独出演。 99 沈黙の戦場/108 死にたくない奴
○専門家護衛任務。 97 戦場をかける(電話線敷設)/125 パパは帰ってくる!(砲兵観測班)
○補充兵または新人が問題を抱えている。
 98 チャンピオン来る/105 大地にかえる/109 一番つらい日/110 卑怯者のしるし
  113 老兵来たる/121 謎の兵隊/英雄になりたい
○フランス民間人が犠牲を強いられる。 103 砲撃目標/104 ブルドーザー作戦/114 運命の棺
○手ごわいドイツ兵との戦い。 124 最後の狙撃兵/126 一人だけ見ていた
○イギリス軍の上官に振り回される 111 連合特攻隊
○ドイツ兵スパイもの。 117 敵がその中にいる/120 敵スパイ潜入/122 第9捕虜収容所

●登場人物について

*レギュラーメンバーも変化なし。そのキャラクター、経歴を生かした話。
○農家出身のリトルジョン/105 大地に帰る
○かつては分隊長経験者でメカに強いカービー・104 ブルドーザー作戦/妹に婚約者・116 報復への道/臨時分隊長に任命・127 孤立した分隊

*英軍(コマンド部隊)登場は一作のみ/111 連合特攻隊
*珍しいアルバニア兵の登場/102 敵中横断
*わき役で再登場は
 トム・スケリット・121 謎の兵隊
 アーノルド・メリット(第1シーズンのクラウン)・113 老兵来たる
 ウィリアム・ブライアント・127 孤立した分隊
*長いことドイツ兵やられ役で出演していたウォルト・デイビスがアメリカ兵。
 105 大地に帰る/116 報復への道/124 最後の狙撃兵

●登場メカについて

○特筆すべきはやはりキューベルワーゲンの登場です。8回ほど出ています。キューベルワーゲンは、終戦後は敗戦国の悲しさでその多くがスクラップにされたりして、現存するものはわずかでした。60年代に戦争映画がたくさん製作されるにつれ、映画用のレプリカ(偽物)がさかんに作られました。コンバットでは第4シーズンでやっと登場となりました。車体側面にでっかい黒十字が描かれていますが、実際にはこういうマーキングは見かけません。

○ハーフトラックはいつもどおりだが、M-41戦車登場は少なく実質1話のみ。(112 適中不時着陸)/119 丘は血に染まった
○L-4軽観測機・112 敵中不時着陸

やはり第4シーズンは「丘は血に染まった」の存在が特別で、これがなかったら他のシーズンに完敗ではなかっただろうか。これまで前後編ものは「遠い道」と「停車場の三日間」の二つ。二作とも第2シーズンでサンダース主役だったので、V・モロー監督、ヘンリー主役の「丘は血に染まった」は格別でした。私は見応えある前後編ものは気に入っていて、毎シーズンに欲しかったくらいですが残念ながら3作で終りました。
 
シーゲル曹長 | NoCut第4シーズン | 15:39 | - | - | - | - |

(118/119)丘は血に染まった−最終その6 Hills Are For Heroes Vol.6

●ビデオ「ノーカット・新吹替版」

1997年頃に発売されたビデオ「ノーカット・新吹替版」は40話20巻セットで第1巻が「丘は血に染まった・前後編」でした。しかし大幅に変更された声優のせいであまり評判はよくなかったようで、DVD化はされていません。現在はまたオリジナル音声の全セットがDVD発売されています。

なぜ声優を一新したのかというと、当時はまずカット編集作業したものに吹き替えをつけていた。つまり後になってノーカットで販売しようとするとカットした部分の吹き替えに困るわけです。当時の声優さんは引退したりしてますしね。サンダース役の田中信夫さんは現役で活躍されていたので再登場ですが、年数がたっているので微妙に声質が変わっていてちょっと違和感がぬぐえませんでした。

ところで、当時はコンバット以外の海外ドラマも同じようにカットして放映していたものが多かったようです。私の持っている(日本版のDVDボックス)「アウターリミッツ」や「キャプテンスカーレット」はノーカットですが、かつてのカット部分になると、そこだけ“自動的に英語音声+日本語字幕”に切り替わるという苦肉の策をとっています。

なおビデオ「ノーカット・新吹替版」は全体的に日本語訳も見直されて、原語に近いようにあちこち直されています。ただし新吹替版は、兵士が撃たれた時「ウァーッ」とか「ウオッ」という悲鳴やうめき声が(原語にないものにまで)すべてに入っているところが欠点です。明らかにくどい感じです。

現在でもオークションなどでたまに見かけることがあります。「戦争嫌い」「人間の生命」「名もないものの悲しみ」「生きる」など名作揃いなのはうれしいですが、長所(ノーカット、新訳)・短所(声優入替え、くどいうめき声)兼ね備えた悩ましい商品です。


●ラストシーンの謎

さて最後になりましたが、どうしても気になっていることを一点書き加えたいと思います。劇的なエンディングのことです。

遂に二つ目のトーチカをつぶしたところに撤退命令が入る。ヘンリーは丘の兵士達に下りて来いと命令。ドイツ軍の反攻が始まったので出発点まで下がる、と説明した後の流れは次のようなものです。

ケーリーがひと言抗議する。
リトルジョンがひと言抗議する。
カービーが怒りの抗議をしばらく続ける。(再度のヘンリーの呼びかけに、にじり寄って抗議し背を向けるシーンカット)
シュミットがあきらめて丘を下りる。ケーリーも続いて降りる。
カービーもあきらめて丘を降りる。

現DVDもノーカット新吹替版も、数年前のNHKの再放送でも同じです。いつもどおりカービーが最も強く長く怒りをぶちまけるパターンでした。しかしこれとは別パターン…ケーリーが執拗に怒りをぶちまけ、最後まで丘に残るというパターンがあったのではないか。それが私のぬぐいきれない疑問点です。

コンバットのシーンごとの映像を載せたサイトを見つけましたが、やはりカービーが一人立ち尽くしていました。いろいろなサイトをチェックしても、エンディングは2パターン存在したというような記事は見つかりません。

ビデオ「ノーカット新吹替版」が発売され私は真っ先に「丘は血に染まった・前後編」を購入しましたが、エンディングを見た時「あれっ、こうだったっけ?」と思ったのです。1988年ごろ再放送された時も第2シーズンまでだったし、録画映像は持っていません。

私の記憶だけであればはなはだ頼りなく、ここに書くことをちゅうちょしたかもしれません。しかし一つだけ気になる証拠文献が残っています。

キネマ旬報1995、NO.1168臨時増刊「戦争映画大作戦」という本。この中に8ページにわたり“コンバット「総論」”という記事があります。そこでヴィック・モローの監督としての才能を述べた記事で「丘は血に染まった」のエンディングに触れています。その部分を書き出します。

“そのラストで、うまいと思ったのがレギュラーたちの使い方だった。いつもクールなケーリーが感情的になり、丘を離れないと喚くのだが、それをなだめるのが普段直情的なカービーなのだ。これには、シリーズを通して見ているファンが、特に驚いた。レギュラーたちの精神状態が滅茶苦茶に破綻していることで、丘の攻略がいかに過酷であったかが、身にしみるように感じられたのだ。”(p.84〜p.85)

どうでしょうか。“ケーリーが感情的になり、丘を離れないと喚く”“カービーがケーリーをなだめる”と書かれています。そう言われてみれば、半泣きで叫びつくし呆然としているケーリーの元へ、負傷したカービーが足を引きずりながら近づいて肩に手をかける、そんなシーンだったような気もします。

しかしなぜ2パターン存在するという様なことがありえるのか、と思う人もいるでしょう。ありえると思う理由はこうです。

ずいぶん前にハリウッド映画界の裏話が書かれた本(タイトル忘れました)を読みました。映画がそれこそ娯楽の王様だった時代で、ものすごい勢いで映画を量産していたそうです。完全にプロットが固まっていないまま撮影に入らなければならないこともしょっちゅうで、そんな時は現場で何パターンか撮影しておいて、編集段階で決めてゆくということをしていたそうです。

例えばあの名画「カサブランカ」のラストでは、ハンフリー・ボガードがバーグマンと彼女の夫を飛行機に乗せ脱出させる。自分は危険を承知でその場に残る、という渋い設定で大ヒットしました。しかしボガードが一緒に飛行機で脱出するパターンも撮影してあったというのです。

「丘は血に染まった」においても“ケーリー激怒パターン”と“カービー激怒パターン”の二つが撮影された。初放映は“ケーリー激怒パターン”だったが、なぜかその後のビデオ、DVDでは“カービー激怒パターン”が使用された。このようなことが起こった可能性がゼロとは言いきれないと思うのです。

どうでしょうか。ずっと冷静だったケーリーが最後の最後に怒りを爆発させてしまう。疲労困憊しきったカービーが力を振り絞ってそれをなだめる。実に魅力的で、何としても見てみたいラストシーンだと思うのですが。

(丘は血に染まった−その1〜6 終わり)
 
シーゲル曹長 | NoCut第4シーズン | 15:07 | - | - | - | - |

(118/119)丘は血に染まった−その5 Hills Are For Heroes Vol.5

○連絡3回目

砲撃支援も戦車も未定。10分だけ猶予するが、10分たったら援護なしでも攻撃せよ。

支援なしでの再度の攻撃に対し、兵士達が反発。カービーが遂に切れてヘンリーに猛烈に抗議。それに対してヘンリーは少しもひるまず言い返す。何とか指揮官の威厳を保つが、崩れる寸前であった。サンダースと二人になったところで弱音を吐く。しかしサンダースの思わぬ一言に気力を取り戻す。

<カットシーン5>
連絡3回目のあとカービーが猛抗議をする。そのあとのやり取りは以下のとおりだが、ここでヘンリーの4のセリフがカットされている。
1「言うことはそれだけか」 カービー「小隊長、俺たちにはもうできねぇや」
2「言うことはそれだけなのか」 カービー「はい…これだけです」
3「よし」
4 気持ちはよくわかる。だが言って気は楽になっただろう。
5 次の任務の準備にかかれ。全員だ」

このあとサンダースがヘンリーのセリフをそっくり返し立ち直らせるという重要なシーンへ続くが、4のセリフカットによりサンダースのセリフの面白味が薄れてしまった。時間にして3秒足らずなのにカットは謎。


●戦闘4回目

やる気をなくしている兵隊たち。ヘンリー怒鳴る。
2、3名ずつ側面から進む。(特別な策もなく)遮蔽物を利用して正確に射撃せよ。

戦車到着。ケーリー、カービー、リトルジョン、ミラー、シュミット、アインシュタインが戦車につく。
戦車長にヘンリーは「機関銃だけらしい」と告げる。これはうかつだったが待ちに待った戦車の到着に気を緩めてしまったのだろう。歩兵を随伴させたのは一応対戦車攻撃に備えたといえる。一発で仕留めたドイツ兵が上手だったとするしかないだろう。

戦車の攻撃…左トーチカ二発命中、撃破。右に向く途中にドイツ軍のロケットランチャー命中。ロケットランチャーを撃ったドイツ兵は倒す。ミラー戦死。ダメージを受けた戦車長がハッチから出たところにさらに銃弾が降り注ぐ!

バズーカ(ロケットランチャー)はロケット弾が発射される際後方に炎が噴出するため、トーチカ内からの使用はできない。それでドイツ兵は危険を承知でトーチカの外に出る。それに気づいたカービー達との撃ちあいになるシーンも緊迫感最高。あえて言うなら、戦車砲の動きがちょっと緩慢なのが残念。

<吹き替え訂正>

・4回目の戦闘で戦車が到着前の作戦指示におけるヘンリーのセリフ。
中央から攻撃する。迂回路は監視が厳しい。→今度は中腹からだ。側面攻撃を行なう。

・そのあとヘンリーが怒るセリフとそれに対するケーリーの一言。
ヘ「トーチカには敵ががんばっている。俺たちを皆殺しにしようと待っているんだ」
ケ「このぶんじゃそういうことになりそうですね」
→ヘ「トーチカは二つとも無傷で、我々の攻撃を跳ね返している」
ケ「しかも実によくやっています」


○連絡4回目

4回目の連絡は中隊長からで、81ミリが使えることをヘンリーに知らせるためのものだった。ヘンリーは淡々と戦車の一件を報告する。次の策は思いついていない。中隊長自身も上からせかされているのか、戦車の件を深く追究せずすぐ話を進めている。とにかく丘の攻略が急務なのだ。81ミリと聞いて作戦を思いつくヘンリー。

見ている私たちはすっかり兵士達に感情移入しているので、戦車の到着に心奮い立ち、失敗と共に落胆する。しかしヘンリーの気持ちが折れていないので、緊張感が保たれたまま最終攻撃へと目を向けることができる。


●戦闘5回目

81ミリ煙幕弾。8人で攻撃準備。バズーカで2名ずつ攻撃。ドイツ兵は3名。
最初にカービーとアインシュタイン。カービー負傷、アインシュタイン戦死。次にケーリーとシュミット。ケーリーがバズーカ操作。カービーが装填手。シュミットの援護射撃で一人倒す。バズーカの3発目が命中し、右のトーチカも撃破。そして撤退命令。

<カットシーン6>
ヘンリーの撤退命令のあとのカービーの長い抗議…「統計屋もモーガンも降りれない、これは俺たちの丘だ」に対しヘンリーが「降りて来い」と言ったあと30秒カット。
カービーは(ヘンリーに向かって)数歩降りて指を突き出し「これは俺たちが取った丘だ」と再度叫ぶ。ヘンリーはカービーの叫びを受け止めるように一呼吸置くが、「降りて来い」と繰り返す。カービーはあきらめ切れないように背を向けまた数歩上がってトーチカを見つめる。ケーリーもつられてトーチカに一度目を向ける。
そのあとシュミット、続いてケーリーが降り始めるシーンに続く。

*カットシーンを改めて読み返すといずれも重要なシーンで残念。特に後半は戦闘シーンを再使用しているので、ここをもう少し削っても良かったのではと感じる。

<吹き替え訂正>

・戦車が丘をあがってゆくところで戦車長のセリフ。
戦車長から射手へ、攻撃準備。→徹甲弾を装填せよ。(Road AP)

・最後のバズーカ攻撃でアインシュタインとカービーが倒れ、飛び出そうとしたヘンリーにケーリーが叫ぶセリフ。
前進しろ、そこにいたらやられるぞ。(カービーへの叫びになっている)
→小隊長は出て行ってはいけません。(ヘンリーへの注意)

・カービー抗議のセリフ
この射手はぼやきながらもいっしょうけんめいやった、→こいつは、俺は名前さえ知らねぇけど、
 
シーゲル曹長 | NoCut第4シーズン | 10:46 | - | - | - | - |

(118/119)丘は血に染まった−その4 Hills Are For Heroes Vol.4

前回分けた場面ごとに詳しく見ていきます。各場面ごとにカットシーンをチェック。またオリジナル吹き替えで訂正が必要と思われるものも入れていきます。

●戦闘1回目

サンダースは左足に被弾し倒れるが、その後は右足負傷で話が進む。
ケーリー自ら志願し、単独で手榴弾攻撃を試みるが失敗。「とても無理です」と報告。このケーリーの単独攻撃は、ヘンリーが支援砲撃なしの攻略は無理だと判断させたものとして意味がある。

<カットシーン1>
タイトル映像のあと、丘を眺めるヘンリーの横顔が映りタイトル名が出たあと約2分カット。
ヘンリーの顔とトーチカの映像に脚本者名、監督名(V・モロー)が映り再びヘンリーの横顔。壕からリトルジョンが出てきて「手ごわそうですね」と話しかける。「軍曹の様子は?」とヘンリー。「だいじょうぶです、ドクが見ています」ヘンリーは立ち上がって壕へ向かう。
壕の中、手当てを受けるサンダースの所へヘンリーが来る。具合を聞くヘンリーに対しサンダースはだいじょうぶと強がるが、かなりひどいとカーターが口を挟む。状況を気にしてモルヒネをいらないと言い張るサンダースだが、ヘンリーは「痛むようならかまわずモルヒネを打て」とカーターに命令する。カーターも戦況について「手こずりそうですね」と心配する。
おしゃべりしてるカービーたちに場面は移る。「いろんな所を攻めたが上でがんばってやがって、間は見通して…」
カービーの「まぁ神様じゃなけりゃとても上がれやしねぇや」のセリフに続く。


○連絡1回目

ヘンリーの第2小隊だけ遅れているという状況。60ミリ迫撃砲の援護のみ取り付ける。
カービー、ケーリー、リトルジョンの3人がヘンリーに意見を言う。リトルジョン、サンダースの元へ行き弱音を吐く。サンダースは励ます。

ここまでで主な登場人物の役回りが示される。
上からの命令を強く迫る中隊長。厳しい戦闘で消耗してゆく兵士達。その狭間で苦悩するヘンリー。この三者が一本の縦軸。最も強く対立するカービー。理解しながら冷静に意見を述べるケーリー。リトルジョンはカービーやケーリーほど働いていないので、2人を立てながらサポート。

それとは別の場面ではモーガンとシュミットの2人のドラマ。またアインシュタインはカービーとだけ絡んでいて、最後の時までそれが続く。

そして孤立無援のヘンリーを横から支えるサンダース。サンダースは最初に負傷したあと戦闘には加わらないものの、崩れ落ちそうになるヘンリーを立ち直らせるという最も重要な役を演じる。

<カットシーン2>
2度目の戦闘前、痛そうな表情のサンダースがカーターの名を呼んだあと1分半カット。
壁に寄りかかっていたカーターがサンダースの横へ。傷が痛そうなのでモルヒネを勧めるがかまわず状況を聞くサンダース。「軽機関銃を丘の途中まで上げ、援護は60ミリ迫撃砲だけです」と説明するカーターに「60ミリなんかじゃだめだ」と我慢できずベッドを降りようとするサンダース。行っても何もできませんと押しとどめるカーター。
そこへリトルジョンが来る。サンダースがいないので心細いと弱音を吐くリトルジョン。励まして送り出すサンダース。二人に戻った所で「60ミリでも役に立つんですか」と改めて聞くカーター。「他に何がある?」という答えに不安な表情を浮かべるカーター。
砲撃音が聞こえてきてサンダースの「迫撃砲だ」のセリフに続く。


●戦闘2回目

機銃チームは左手中腹(壕の上200ヤード)の窪地に機銃を据えて銃撃する。本隊は中央突撃。
機銃チーム:機銃班2人とカービー、チェスター、モーガン、アインシュタイン。

60ミリ迫撃砲援護がやむと猛烈に撃ち出すドイツ軍。機銃手とチェスターが戦死。助手も負傷。カービーは独断で退却を決意。それを見て本隊も攻撃断念。


○連絡2回目

大隊長から怒りの催促。戦車が一輌回せるかもしれないが未定。
カーターの報告で戦死者は7名と知り愕然とするヘンリー。カーターまでもがヘンリーに意見を述べるが聞く耳持たず。まだヘンリーの気力は保たれている。

<吹き替え訂正>
・カービーを注意したあとのヘンリーのセリフ。
ゴンザレス、そこに(機銃を)すえろ。→ゴンザレス、機銃手をやれ。

・ヘンリーと中隊長の会話での中隊長のセリフ
第2、第3大隊は前進している→第1、第2大隊は前進している


●戦闘3回目

狙撃チーム:ケーリーが6名選出。中央より接近、右のトーチカ中心に精密射撃。
機銃チーム:カービー、モーガン、シュミット、アインシュタイン、ゴンザレス。
狙撃開始と共に同じ窪地へ進出。トーチカが沈黙したらバズーカを前進させ攻略する。

ケーリーの目線でトーチカに照準を合わせる映像が迫力。戦死者を盾に狙撃!初弾で一人倒す。機銃チームのモーガン、ゴンザレス戦死、カービー退却を決意、狙撃チームに退却命令。
泣きそうな顔で突っ伏すヘンリー。
(ここで前編が終了。後編はこの戦闘の始めから繰り返される。)

<カットシーン3>
前編の戦闘シーンが再使用されるが、狙撃チームが匍匐前進で丘をあがり始めサンダースがたまらず起き上がりヘンリーと会話するシーンまで約1分半がカット。

<カットシーン4>
タイトル映像のあとサンダースが(ライフルを松葉杖代りにして)足を引きずって突っ伏しているヘンリーのそばへ行って立ち止まったところで1分40秒カット。
ヘンリーとサンダースの会話。顔を上げ弱音を吐くヘンリー。
「何にでも限度があるがここにはない。負傷したお前を後方に送ることもできない」と。「これまでも厳しいことはありました」と励ますサンダースだが、機関銃を置いてきたカービーを責めるヘンリー。しかし「どうしようもなかったんですよ、命と引き換えじゃ…」と開き直るカービー。

続いて壁でへたばってるアインシュタインとカービー会話。アインシュタインは賭けの負け額を言って書いた紙をカービーに渡す。「じゃあ早く払えよ」と言うカービーに「焦るな焦るな、…こりゃ遊びなの、可能性の追求さ…」とのんきに応じる。
カービーがタバコを持った左手を伸ばし膝におき、アインシュタインが「二人とも統計によるととっくに死んでるはずなんだ」のセリフに続く。
 
シーゲル曹長 | NoCut第4シーズン | 14:58 | - | - | - | - |

(118/119)丘は血に染まった−その3 Hills Are For Heroes Vol.3

●全般的状況を見る

ヘンリーのセリフから師団規模の攻勢である事がわかる。戦況そのものは中隊長とのやり取りで語られる内容で知るしかないが、数回にわたる内容は以下のようなものだ。

 第2小隊(ヘンリー)の両翼は前進している。大隊長もうるさく言ってきている。
 トーチカは左翼のI中隊も阻止している。
 大隊長から怒りの催促。第1、第2大隊は前進している。
 大隊が動けん。連隊司令部からも言ってきている。

第2小隊がストップしているためにK中隊が進めず、それが大隊の足を引っ張っているという大変な状況で、かなりヘンリーはプレッシャーをかけられている。
だがノルマンディー上陸に成功し内陸部に進んだ連合軍にとって戦争はもはや「勝つ負けるか」ではなく「いつ終らせるか」になっていた。こうなると昇進を狙い手柄を立てることに躍起になる将校も出てくるし、司令官どうしのライバル意識も当然ある。だから自軍部隊の作戦の遅れには必要以上に厳しくなるということもあった。現場指揮官ヘンリーの苦悩の裏には“そんなしょうもない現実”もあったはずだ。

なお物量で押しまくった連合軍のはずなのに、空軍の支援も砲兵の支援もないなんてと感じるが、所詮は一個小隊の任務。こんなこともあったかもしれないという気もする。

●周辺の様子とトーチカの配置

周辺はどこまでも山々が連なる地形でフランス北部にはありそうにない地形だが、アメリカ西部での撮影なので致し方ないところだ。中隊本部のセットは装備、人員共に第1シーズン以来の充実振りで、遠方を移動する部隊が見えるシーンなどは何度見てもわくわくする。中隊長はヘンリーと話しながら時々振り返る場面があり、どれか示されていないが問題の丘がその先に見えているという設定だろう。

向かって右側のトーチカから見下ろす映像に左奥のトーチカが入ることがあるが、それを見ると左のトーチカは比較的低い位置にあり、まさに目的の道をふさぐように存在している。そこで左の丘を回って上から攻撃したいところだが、そのルートは右側のトーチカから丸見えという絶妙の位置関係である。
また、待機壕からトーチカまでの撮影に使われた場所は実はそれほど広くなく、シーンを分割しカメラワークを駆使して、実際より距離感を出しているような感じもするがどうだろう。

●ドイツ軍の戦いぶり

2度目の攻撃で60ミリ迫撃砲に耐えている様子を見ると、かなり訓練された優秀な兵士達であることがわかる。戦車が来た時の対応も見事で一発で仕留めている。またラストはドイツ軍の反撃が始まる設定であり、もし事前に連絡が入っていたのだったとしたら当然士気も高まっているだろう。ドイツ軍にとってもここが守りの要であることを納得させる戦いぶりだ。犠牲者数から逆算すると、向かって右のトーチカに5人、左に3人配置のようだ。

●迫力の戦闘シーンと犠牲者数

巧みなカメラワークが戦闘シーンの迫力を倍増させ、それにより兵士達が消耗してゆくさまがじわじわと伝わってくる。
退却シーンでは丘を駆け下りる兵士と共に移動するカメラ。銃弾につかまり倒れ、転がり、画面から消えてゆく兵士の撮り方も見事。モーガンが撃たれたときのスローモーション。丘を登って行く場面では明らかに手持ちカメラと思われるぶれた映像…などなど。これらは最近の映画では当たり前になっているが、コンバット後の60年代、70年代の戦争映画を見ても意外に使われていないことに驚く。

ところで撃ち倒されてゆく兵士をカウントしてゆくと、どうも途中で数が合わなくなってくる。最終的に私のチェックしたところでは、戦死13、負傷4、無傷8なのだが、撤退するラストシーンでは無傷10、負傷4を確認(=戦死11)。満足ゆく戦闘シーンが撮れたので、数の違いは目をつぶったというところではないだろうか。

●ストーリー展開を把握する上で、戦闘シーンと中隊本部との連絡シーンをポイントにいくつかの場面に分けて見ていきたい。“戦闘”と“連絡”とし、順に番号をふる。

戦闘1 ドイツ軍の存在に気づかず不意打ちを食らう。その後ケーリーの単独攻撃。

連絡1 支援要請…60ミリ迫撃砲のみ。
戦闘2 60ミリ迫撃砲の援護。カービーが機銃チームで援護射撃。本隊は中央突撃。

連絡2 支援要請…砲兵は無理。戦車一輌回せるかもしれないが未定。援護なしでも攻撃せよ。
戦闘3 支援なし。狙撃チームと機銃チームによる攻撃。

連絡3 支援要請…10分だけ猶予。戦車が間に合わなくても10分したら攻撃せよ。
戦闘4 特別な策もなく攻撃準備。戦車到着。戦車砲で左トーチカつぶすが、戦車被弾、擱坐。

連絡4 81ミリが回せるとの回答。煙幕弾を要請。
戦闘5 81ミリ煙幕弾のもと戦車を遮蔽物にバズーカ攻撃。
 
シーゲル曹長 | NoCut第4シーズン | 15:12 | - | - | - | - |

(118/119)丘は血に染まった−その2  Hills Are For Heroes- Vol.2

今回は登場火器についての考察。基本的なことは「第1シーズンをふりかえる-3」を参照ください)

○M1928A1サブマシンガン

サンダースのトレードマークともいえるマシンガン。子供の頃はこの銃こそ最高だと信じて疑わなかった。しかし速射連発が可能な銃なので、きつい反動を押さえるためにピストル弾と同じものを使用している。フルオートで長距離での命中精度はかなり低くそう。なおサンダースは常にフルオートで撃っているが、切り替えレバーで単発射撃も可能。映画「パットン大戦車軍団」の始めのほうで単発射撃のシーンがある。今回サンダースは初めに負傷してサブマシンガンは丘に置き去り。なお実銃は6kg以上の重さで、私が所有するモデルガンでも4kgほどある。V・モローは毎回結構な重労働を強いられていたわけだ。

○M1911A1

下士官以上の兵士あるいは特別任務につく兵などが護身用に装備する軍用ピストル。今回はヘンリーとサンダースのほか、機関銃手と無線係が所持。射撃シーンなし。

○M1カービン

ヘンリーが標準装備。セミ・オートマチックで2.5圓鳩擇い里長所。中隊本部の土のうにも立てかけてあり、中隊長も使用しているようだ。

○M1ガーラント・ライフル

戦力の中核をなす歩兵が標準装備。30−06(7.62ミリ)弾という強力な弾を使用するセミオートマチック・ライフル。大戦中に全兵士がセミオートを装備したのは米軍だけだった。

○K1918A2

カービーのトレードマークともいえる分隊支援火器、BAR。一個分隊に一人が装備する。M1ガーラントと同じ30‐06弾をオートマチックで撃てる。
しかし10kg近い重さでライフルの様に扱うのは酷。かといってマガジンは20連なので、機関銃のように撃ちまくるとすぐ弾切れをおこすという中途半端な兵器でもあった。
珍しい1920年代中国を舞台にした映画「砲艦サンパブロ」では、S・マックイーンがこいつで大暴れしてくれる。ファン必見。

○K1919A4機銃

歩兵でも持ち運び可能な(といっても14kg位はある)空冷軽機関銃。同じく30‐06弾を使用。今回は小隊の火力増加のため参加しているが、ドイツ軍に完全に撃ち負けてしまっている。

○M2 重機関銃

ドイツ軍がトーチカから圧倒的迫力で撃ち下ろす機関銃は、実はアメリカ軍のものである。これは30−06(7.62ミリ)弾より強力な50口径(12.7ミリ)弾を使用。三脚に載せて使う歩兵用のほか、戦車、装甲車、はては戦闘機、爆撃機の銃座にも使用された伝説的強力重機関銃である。
(69)「ジープ特攻隊」ではジープに装備されていた。

ところで本来はドイツ軍の主力機関銃はMG42で、コンバットでもたびたび登場している。MG42は専用の三脚に載せると重機関銃としても使えるというすぐれものだが、コンバットではカービーのBARと同じように銃身の先に二脚をつけたタイプしか出てこない。その後の映画では三脚使用も見うけられるが、コンバット製作チームは三脚を入手できなかったようだ。そういった理由と、アメリカ軍のK1919A4機銃より威力を見せつける為にここではM2を選んだのだろう。

向かって右のトーチカに2丁、左奥のトーチカに1丁あるようだ。トーチカ内の映像では、向かって右側だけに銃眼があり右下へ撃ち下ろしているものが左奥のトーチカ。なお台座(機銃と三脚の取り付け部分)が戦車などに使う台座のようだ。銃眼が高い位置にあるため(三脚も専用のものでなく)撮影用にあつらえたものかもしれない。

 *M42の三脚使用は映画「プライベート・ライアン」「戦争のはらわた」などに登場。

○バズーカ

バズーカの愛称で有名だが、正式名称はM9ロケットランチャーである。ドイツ軍のものはM9ではないようで形式が判別できず。おそらくM9の改造だろう。ヘンリーは無線連絡シーンで原語では自軍のものをバズーカ、ドイツ軍のものをロケットランチャーと言い分けている。

コンバットでは撮影用に2種類のバズーカを使用している。ひとつは弾込めシーン用、もうひとつは発射時に後方から煙が出るものだ。ケーリーが戦車の前方に移動しようとするシーンで、弾が落っこちそうになっている。

○砲兵支援

砲兵支援についてのヘンリーと中隊長のやり取りが繰り返され、それがなかなかマニアックでミリタリーファンには中隊本部の映像と共に見どころの一つになっている。具体的内容だが吹替えでは砲兵、81ミリ、60ミリ迫撃砲。原語ではArtillery、81mm、60mm morter、Company Moter などと言っている。

まず81ミリと60ミリだがこれはどちらも迫撃砲で、英語では Moter。砲兵、Artilleryは105ミリ以上の榴弾砲をさし、迫撃砲よりずっと強力な砲である。「迫撃砲の支援がある」とのヘンリーの言葉にカービーは「砲兵じゃなけりゃ無理だ」と早々に抗議している。

ところで歩兵師団というのは歩兵だけで構成されているのではなく、師団が活動する上で必要な様々な部隊、例えば砲に関しても高射砲部隊、対戦車砲部隊、迫撃砲部隊などを持っている。

そして60ミリ迫撃砲は、中隊(小銃中隊)指揮下の迫撃砲分隊に装備されているので“Company Moter(中隊迫撃砲)”と表現されたのだろう。それに対し81ミリは大隊指揮下の重火器中隊の迫撃砲分隊に装備されている。したがって60ミリは空きがあれば中隊長の裁量ですぐ回せるが、81ミリのほうは重火器中隊、またはその上の大隊に要請し、判断を待たなければならないということだろう。劇中では60ミリより使用可能まで時間を要している。

*コンバットでは迫撃砲の登場は少なく(47,48)「停車場の三日間」だけ。実写では(27)「バラの勲章」など。

○M41ウォーカー・ブルドック軽戦車

前にも紹介したが、M41戦車は第2次大戦後のもので実戦参加は朝鮮戦争から。昨今のリアル系戦争映画ならずんぐりしたM4中戦車か、小型で短砲身のM24軽戦車が使用されるところだ。だが「丘は血に染まった」でこれらの戦車が使用されていたら映像的迫力は半減していただろう。車高が低くて砲身の長いM41が丘を軽快に上がってゆく。これを後方から撮ったショットだから実にかっこいい。

ところで今回は砲塔に装備されているM2重機関銃がない。ドイツ軍の機関銃と同じはまずいという配慮かもしれない。砲塔の機関銃を撃ちまくるシーンは(19)「英雄の条件」や(68)「戦車対歩兵」で見ることができる。車体の後部に通話機がついていて、ヘンリーが戦車長と話すシーンがある。同じくドイツ軍として登場した(68)「戦車対歩兵」ではドイツ兵によって使用された。
 
シーゲル曹長 | NoCut第4シーズン | 17:21 | - | - | - | - |

(118/119)「丘は血に染まった(前・後編)」-その1  Hills Are For Heroes Part1・2 (英雄たちの丘) 

 ノー・カット(NC)輸入版DVDで見る 第4シーズン25・26話(日本第4シーズン46・47話)
・お薦め度★★★ ・迫力度★★★ ・感動度★★★

丘は血に染まった(前・後編)−その1

●あらすじ
アメリカ軍は大規模な攻勢に出た。ヘンリーの率いる第2小隊の任務は、名もなき丘の奪取と丘を貫く一本道の確保。しかしその丘は、ドイツ軍の二つの強力なトーチカが立ちふさがる地獄の入り口だった…。

-----------------------------------------------------------------------
前・後編を通して毎回テーマを決めて見ていきます。第1回は、登場人物や部隊編成についての考察。

○ヴィック・モロー監督作品!
これまでのV・モロー監督作品と違い、今回は監督業に専念するため初回の戦闘でサンダースを負傷させ、以後の戦闘には不参加という設定にしている。
なお原題の「Hills Are For Heroes」はスティーブ・マックイーン主演の映画「Hell Is For Heroes」をもじっているのは間違いない。(1962年アメリカ映画、邦題「突撃隊」)

○レギュラー出演者
サンダース、ヘンリー、カービー、ケーリー、リトルジョン、カーターすべて出演。ゲストスターなし。

○小隊の部隊編成と指揮系統について

ヘンリー少尉率いるK中隊第2小隊が登場。冒頭のシーンを見る限り25名程の兵士がいる。一個小隊は3個分隊編成で12×3+小隊本部=40人前後欲しいところだが、戦場では常に戦死、負傷などで欠員が出るので足りなくてもおかしくはない。
これまでのエピソードではヘンリーが率いるのは多くても10名以下であったから、ずいぶん小隊らしくなった。電話線を敷いている兵士などもいる。

通常ならサンダースが負傷して離脱したあとは、第1分隊長代理を任命して、第2、第3分隊長ら3人を中心に作戦を指示するはずである。だがそうすると初出演のそれらの分隊長とのやりとりがメインになってしまうので、リアリティには欠けるがカービーとケーリーを中心に命令を伝える形にしている。この辺は(単発の映画ではなく)連続テレビシリーズだから仕方ないところだろう。同じくカービーの装備しているBARは一個分隊に一丁だから、本来ならもう2人いるはずである。


○無線係

無線機を背負って常にヘンリーのそばにいる兵士は分隊員ではなく小隊本部(といってもヘンリーと2人きりだが)の兵士である。中隊本部との連絡を切らさないようにしているが、戦闘では他の兵士と同様によく戦っている。


○機関銃班(機関銃手アール・パーカー)

三脚にすえつけて射撃する機関銃(K1917A4)を操作する二名の兵士。この2人(機関銃手と助手と呼ぶことにする)は小隊所属ではなく、中隊本部指揮下の機関銃分隊あたりから回されてきたのだろう。機関銃手がカービーに「あの少尉(ヘンリー)はだいじょうぶか?」と聞くシーンがあり、また「変な少尉にたくさんぶち当たってきたからな」などとも言っている。大きな作戦のたびにあちこちの小隊に助っ人として派遣されているようだ。


○中隊長(マイケル・フォレスト)

K中隊長といえば第1シーズンではハーパー大尉、第2シーズンからはずっとジャンペル大尉(ロバート・フォーティナー)だった。「遠い道(後編)」「爆破命令」「遅すぎた連絡」に本人登場。名前だけでもたびたび登場している。今回は単に大尉と呼ばれるだけで、エンドクレジットではただCompany Commander(中隊指揮官)となっている。また俳優も別人である。
K中隊長は替わったのかとも思ったが、この後の第5シーズンで違う俳優(ジョン・ハドソン)がジャンペル大尉として登場する。だから今回もジャンペル大尉ということにしていいかもしれない。なお2回目の連絡で中隊とつながった時に無線係がヘンリーに「Captain Jampel」と言っている様にも聞こえるが…。


○その他の登場人物

・モーガン(アンソニー・コール)…典型的なタフなGI。3回目の攻撃で機関銃チームに加わり戦死。

・シュミット(ポール・カー)…(原語ではクライシュミット)ドイツ系アメリカ人。自分がタフでない事を隠さない正直ないい奴。モーガンを慕っている。

・アインシュタイン(ジョゼフ・ウォルシュ)…統計屋。数学が得意で戦闘のたびに死ぬ確率を計算している。カービーが賭けに応じ、生き延びるたびに賭け金が高額になってゆく。最後のバズーカ攻撃でカービーと共に出撃し戦死。J・ウォルシュは「戦争嫌い」ではジョンソンという臆病な兵士を演じていた。なお「統計家」という粋な呼び名は吹き替え独自のもの。

・ゴンザレス(ルイス・イライアス…第5シーズンにかけてたびたび出演)…機関銃手戦死のため替わりに任命され3回目の攻撃で戦死。原語および新吹替版ではゴライアス。

・ミラー…4回目の攻撃で戦車と共に出撃。やられた戦車によじ登り戦死。

・右トーチカドイツ兵指揮官(アンジェロ・デ・メオ)

・M41戦車長(ウォルト・デイビス!)
シーゲル曹長 | NoCut第4シーズン | 17:31 | - | - | - | - |

(127)「孤立した分隊/The Leader」(指揮官)

ノー・カット(NC)輸入版DVDで見る 第4シーズン31話(日本第4シーズン45話)
・お薦め度★★★ ・迫力度★★ ・感動度★★

●あらすじ
サンダースは小隊本部へ集合するためカービーに指揮を任せ持ち場を離れる。おりしもドイツ軍の大反攻が始まり誼翅發倭缶如∧隊は完全に孤立する。カービーは指揮官としての重圧に苦しみながらも、分隊を危機から救うことに成功する。

●出演レギュラー:サンダース、ヘンリー、カービー、ケーリー、リトルジョン、カーター
その他の出演者:ウィリアム・ブライアント(メイナード)…(15)「一人だけ帰った」(66)「お人よしなロバ」

●感想&コメント

・サンダースは小隊本部へ出頭ということでいなくなってしまう。毎度のことだが1個分隊がこれほど独立して行動することはないはず。小隊長は3個分隊が目の届く範囲、叫べば聞こえる位の距離で指揮を執るのが普通だろう。

・いつもと違い分隊にずいぶん人数がいるが、メイナードは「俺のチーム(原語ではBAR Team)」と言っているのでメイナードとスコットは補強のために一時的に他の部隊から回されている設定らしい。武器は分隊常備のBARだが。助手のスコットはM-1カービンを装備している。

・ヘンリーが本部で資料を配る場面珍しく分隊長が勢ぞろいしている。みなサンダースと同じ軍曹だが、4人いる。

・I中隊の兵士が逃げてきて叫びながら絶命するが、I中隊全滅はひどすぎないか。K中隊の他の小隊くらいが適当。K中隊は他に小隊も分隊も出てこないし。

・手榴弾を投げようとして撃たれるドイツ兵にアンジェロ・デ・メオ。

・カーターはカービーを励ますが、かえってプレッシャー与えてるような…。

・メイナードは最後にカービーを見直し、逃げ出したスコットも帰ってきてすべては丸く納まる。できすぎのラストだがカービーファンには最高の一作。

●TVあるいはオリジナルDVDのカットシーン

・まずディーンとオースティンが配線を調べに行き、カーターとうめくケーリーの顔が映ったあと1分10秒カット。
カーターはカービーの所へ行って「ケーリーを後方に送らないとまずい」と告げるがカービーは「軍曹が戻るまで待ってくれ。できるだけのことをしてやってくれ」と言うだけ。
ウィルズが「電話機は問題ない。やっぱり線が切られてると思う。俺とジョンソンで見てこようか」と言うとカービーは「そうしてくれ」と答えるが、様子を見ていたメイナードが「ディーンとオースティンもいないのにまた二人出したら4人減る。ケーリーはけがしてるし」と反対する。ケーリーがひどくうめくのでカービーは見に行く。
カーターが「痛み止めは打ったがあまり効き目がないんだ、連れて帰らなきゃ」のセリフに続く。

・カーターが「俺たちが生きるも死ぬのもお前しだいなんだ、お前しだいだぞ」と言って立ち上がったあと2分少々カット。
カービーの顔のアップが映りBGMが盛り上げて(本来はCMへ。CMあけて)カービーは電話機をいじっていたがうめき声を聞いてカーターのもとへ。ケーリーに「しっかりしろよ」と声をかけカーターに「重傷は誰だ?」と聞くが「みんなひどいよ」とカーター。
カービーはリトルジョンにその場をまかせ「来る途中にあった農家の所へ行って来る。すぐ戻る」と告げ立ち去る。
スコットが「農家に何しに行くんだろう?」と言うと「戦車と迫撃砲でも見つけて来るんだろう。4人死んで3人重傷、指揮官はカービーだ。ひどいもんだ」とメイナード。
リトルジョンが「おまえならどうするんだ?」と聞くと「退却する」「…重傷者3人連れて敵中をかき分けてか?」
「一か八かだ。お前はカービーの言うように座って死ぬのを待っていろよ」リトルジョンは語気を強め「ああ、そうするよ。指揮はカービーだからな。どう思おうと自由だが、今言ったように指揮はカービーだ。黙ってろよ」と。
カービーが農家に近づく映像に続く。(頼もしいリトルジョン!カットは残念)

●ドイツ兵戦死者:15名。アメリカ兵戦死者:5名。
●出場メカ:救急車ダッジWC54。ただし(25)「オフリミット」の再使用くさい。
●実写フィルム:米独軍砲兵シーン。
シーゲル曹長 | NoCut第4シーズン | 15:55 | - | - | - | - |

(126)「一人だけ見ていた/Run,Sheep,Run」(走れ羊、走れ)

ノー・カット(NC)輸入版DVDで見る  第4シーズン20話(日本第4シーズン44話)
・お薦め度★★ ・迫力度★ ・感動度★★

●あらすじ
分隊の新入りコウリーは戦闘の最中怖気づいて援護射撃ができず、そのせいでブッカーは敵の銃撃に倒れる。それを見抜いたのが唯一捕虜にしたドイツ将校であることを知ったコウリーは動揺する。ドイツ将校は自分が逃げるためにコウリーをそそのかすが脱出に失敗。すべてが終った時、コウリーは真実を告白する。

●出演レギュラー:サンダース、カービー、ケーリー、リトルジョン
   ゲストスター:ドゥウェイン・ヒックマン(コウリー二等兵)
  その他の出演者:フランク・マート(ドイツ軍少尉)…(71)「大きな縄」でドイツ将校。

●感想&コメント

・タイトルの羊(sheep)はキリスト教では信者全般をあらわす。ここでは戸惑うコウリーを指している。コンバットでは(5)「わが心との戦い(Lost Sheep、Lost Shepard)」以来2度目の使用。

・最初の戦闘でドイツ指揮官の将校(少尉)だけ不自然に一人離れた所にいて、MP40サブマシンガンを持っているのもやや違和感。

・そのドイツ将校が岩陰でコウリーが震えていたことを見抜いていたという前提もかなり無理がある。だめもとで張ったりかましたらまんまとコウリーは引っかかってしまったという解釈にしておこう。

・リトルジョンが双眼鏡を持っていて、任務中もサンダースを補佐するような場面が見られる。

・後半の戦闘でドイツ兵にアンジェロ・デ・メオ。

・負傷兵を伴って退却するドイツ兵は(史実に反して)コンバットでは珍しいシーン。

・ドイツ少尉は戦闘が始まって自分のピストルがないのに気づき逃げ出すが、直前に死んだ兵のライフルを使うのが妥当。

・手当てするサンダースにドイツ兵が英語で「ありがとう、軍曹」と言った時驚いた表情を見せるが、そのくらいは誰でもしゃべれると思う。

・最後に捕虜が取れたが、少尉がただの兵卒になってしまったのは痛いはず。

・臆病者が英雄と勘違いされ真相は捕虜のドイツ兵だけが知っているという話は(19)「英雄の条件」と同じだし、立場が逆転してドイツ兵が助けを請う展開は(88)「目の前の敵」と同じ。

・このエピソードはドイツ将校とコウリー二人のやり取りが中心で、サンダースたちは先を偵察に行ってたりドイツ兵を追撃していたりでいない場面が多く、見ている私たちは弱気なコウリーにいらいらさせられる。
考えてみるとコウリーは経験不足から必要以上にびくついていただけで、ブッカーの手柄であることは初めに申告しているし何も問題はない。新兵が実戦でびくつくのは当たり前のことで、カービーたちベテラン勢は先刻承知している。コウリーの最後の告白にも「何で今さらおまえそんなことを」とか「何の得になる」で済ましている。それでは救いがないのでサンダースが最後に「よく話したな」と一声かけて肩を軽くたたく。このラストは見せ場が少なかったレギュラー陣の頼もしさが伝わってくるうまいエンディング。

●TVあるいはオリジナルDVDのカットシーン

・冒頭の戦闘シーン。射撃するドイツ兵が全員映ったあと1分少々カット。
サンダースは「ブッカー、迂回しろ。コウリー、一緒に行け」と命令。ブッカーは動きの鈍いコウリーを促して大きく迂回する。一番手前のドイツ兵が撃たれる。撃ち合いと迂回する二人が交互に映り、二人が大きな岩に取り付きドイツ将校がそれを窺うシーンに続く。

・タバコの一件でリトルジョンが怒り、サンダースが「リトルジョン、もうやめろ」と言ったあと2分カット。
リトルジョンに「道を見張れ」と命令し、リトルジョンと共にサンダースは画面から消える。コウリーの所へケーリーがやって来て「気にするなよ、俺たちでも間違えることはあるんだ」「気にしてないさ」とコウリー。
後ろにカービーがやって来てケーリーの水筒を取り出し水を飲みながら座る。ドイツ兵に向かって「おいドイツ兵(クラウツ)、おいドイツ兵(フリッツ)」と言い方を変えて呼びかけるが、ドイツ兵はまったく英語がわからないといった風で横を向いている。「俺の言葉はぜんぜん通じないみたいだな。こいつずっと座っていやがる。俺たちは丘を行ったり来たり動いてるのにずっと座ってやがる」
気を取り直してコウリーに向かって「軍曹が勲章を申請するって言ってたぞ。…最初にドイツ兵を捕まえて、それが少尉だったんだからなぁ」少し笑顔を浮かべるコウリーだが、カービーとドイツ兵の両方を緊張の表情で見ている。サンダースが来て「出発するぞ。ケーリー、捕虜を見ろ」と言って全員立ち上がり出発。
コウリー、捕虜、ケーリー、カービーの順に山道を歩くシーンに続く。

●ドイツ兵戦死者:7名+推定2名。アメリカ兵戦死者:1名。
●出場メカ:なし。●実写フィルム:特になし。
シーゲル曹長 | NoCut第4シーズン | 11:28 | - | - | - | - |
1/4PAGES | >> |

10
--
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
21
22
23
24
25
26
27
28
29
30
31
--
>>
<<
--
LATEST ENTRY
CATEGORY
ARCHIVE
LINKS
PROFILE
SEARCH